トラックの運転手になって感じた理想と現実の違い10選

トラックの運転手になって感じた理想と現実の違い10選 トラック

「トラック運転手になりたい」と言って運送業界に転職される方は特に他業種からが多いです。それはなぜか?外側から見れば魅力的な仕事に見えるのかもしれません。

 

・運転するだけで給料がもらえる

・気楽そうでストレスとか縁がないのではないか

・色々な場所に行けて楽しそう

 

など、そんなイメージをお持ちの方も多いと思います。かくいう私もそう思っていた内の1人であります。運転が好きとか、人間関係に悩まされなくていいとか、そういった一般企業とは違ったメリットも多いこの業界ですが、その反面、体力的にも精神的にも大変な仕事でもあります。しかしこの業界で働きたくて現在就職活動中の方や、転職を考えている方に少しでも役立つ情報、実際に体験してみないと分からないことをお伝えできればと思います。

 

 思っていたのと違う⁉ドライバーが感じたこと10選

「なんとなくトラックに乗ってみたかったんだよね」、「稼げそうだったから転職したんだけど…」

トラック運転手になってみたものの、実際なってみてわかったこと、そのギャップや想像とかけ離れていた事実10個をまとめてみました。

 

1 食費が結構かかる

まずは「食費がかかる」です。

これは意外と思われた方も多いのではないでしょうか。しかし現役のドライバーさんならなんとなくわかって頂けると思います。

食費がかかってしまうことにはしっかりと理由がありますが、それはコンビニエンスストアの利用頻度が多くなるからです。しかしコンビニはトラック運転手という旅の人、旅の車にとってはなくてはならない存在です。

 

車体の大きさゆえに

それは『車格の大きさ』が大きく関係しています。相棒のトラックは小型のサイズから大型の10t車など大きさは様々です。いくら小型とはいえトラックはトラック、普通車で行くような定食屋や牛丼屋のチェーン店、ラーメン屋に泊めることは困難です。それが初めて訪れるような土地ならなおさらですよね?それでも関係ないよと言わんばかりに駐車する猛者も見かけますが…

大体のドライバーさんは休憩場所がコンビニの駐車場で、食事がコンビニのお弁当です。もちろんお弁当など持参している方もいますので、全てのドライバーが当てはまるわけではありませが………なんだかんだ、時間に追われる職業なのでコンビニが手っ取り早くていいんですわ!というドライバーも多いです。

またコンビニの駐車場は広いところが多く、大型のトラックでも安心して休憩ができます。トラック乗りにとって安心して休める場所というのは非常に重要なことなのです。

行きつく先はあの3つのどれかのコンビニなのです(笑)

 

2 意外と孤独

トラック業務は基本的に出発したら帰るまで1人の世界です。特に長距離、中距離のドライバーさんは多くの時間を1人で過ごします。

1人が好きという方ならなんの問題もないのでしょうが、寂しがり屋さんのドライバーには意外と大変みたいですね。そういう方々は、ハンズフリーなどで仲間や家族と電話したり、ラジオや音楽を聞いたりと、寂しくならないように工夫しています。

まあ、お客さんとも話す機会はありますが、圧倒的に1人の時間が多いですね。それも含めてこの仕事の魅力といったところでしょうか。

 

3 拘束時間が長い

続いては「拘束時間の長さ」です。

ご存知の方も多いと思いますが、運送業界は拘束時間が長いです。今でこそ法律改定によって改善されてはいる傾向ではありますが、まだまだ根強くこの業界では労働時間の長さが問題視されています。求人広告に掲載されている就業時間など、殆どが実際のモノと違うのではないでしょうか。

 

運転以外の仕事が意外と多い

拘束時間が長くなってしまう理由の一つとして、「待機時間」や「運転以外の時間」の発生が関係します。

  • 待機時間とは荷物を積む(おろす)ことができる迄の時間
  • 運転以外の時間とは洗車、伝票整理、日常点検、地図を調べる時間など

 

こういった運転以外の業務に費やす時間が多いのが運転手という職業の特徴です。実際にやってみないと分からないことなのですが、想像とかけ離れたギャップに驚いてしまう人を多く見てきました。

しかし、それを踏まえてもトラック運転手は時間が流れるのが早く感じる職業であると思います。そこをどう捉えるかは人それぞれですが、ドライバーを続けている人はそういった日常の煩わしさから解き放たれたいという気持ちが強いのではないのでしょうか。

 

4 給料が聞いていた話と違う⁉

「求人広告に掲載されていた給料と違うじゃないか!」といった話をよく耳にします。運送には基本的には「稼げる仕事」と「そうでない仕事」が存在します。そしてそれらを割り振る「配車係」が存在します。この配車は一般企業で言うところの、主任・係長クラスの者が担当し乗務員に仕事を割り振ったり、指示を与えます。(会社によっては役員クラスが配車することも)

要するに「稼げる仕事」というのは、社歴の長いドライバーや配車係のお気に入りの運転手に優先的に回されるものなので、新人ドライバーや歴の浅いドライバーはどうしてもそういった稼げない仕事に回されてしまうことも少なくありません。この辺は一般企業でも似たようなことがありますよね?「さあ、たくさんお金を稼ぐぞ」といって大型免許を取って、意気揚々と運転手になってみたものの、実際に聞いていた話と乖離していて、思ったほど給料が稼げないといった現象が発生します。

 

トラック運転手の手当

また運送業界にはあまり聞いたことのない「手当て」があります。基本的には歩合給がメインになるので、その中身に下記のような手当てがあります。

  • 走行手当:走行した距離に応じて支払われる手当
  • 稼働手当:運賃の歩合給に応じて支払われる手当
  • 重量手当:運んだ商品の量によって支払われる手当
  • 無事故手当:車両や荷物の無事故に対しての手当

この通り、一部を挙げてみましたがこの手当の名称は各会社によって違うものですから、他にも似たようなものが沢山あります。運送業界では基本給が10万円以下というのがザラで、ほとんどのドライバーがこういった手当で生計を立てています。せっかく運送会社に就職したのに給料が聞いていた話と違っていたら、やる気も起きないですよね?そういったことにならないためにも事前に情報収集を行うことが重要です。あまり求人広告に掲載されている給料はあてにできませんので…

 

5 運転をするだけと勘違いしている

トラック運転手は大きな車を運転をするだけの仕事と思っている方、多いのではないでしょうか。実際に間違っているとは言えませんが、そこまで単純な仕事でもありません。20代~30代の若い子たちになぜドライバーという職業を選んだの?と尋ねると「自由」「簡単そう」といった表現もちらほら聞きますが、「運転手」という職業上、プロの立場になるのです。プロドライバーである以上は「目的地まで安全に荷物を届ける」ことで初めて報酬の対価になるのです。

 

運転自体がドライブ感覚ではない

そもそも車体が大きい分、気軽に乗るという感覚はありません。車幅は2m以上ありますし、長さも大型車にもなれば20m以上にもなります。プロである以上は絶対に事故を起こしてはなりませんので、乗用車とは大きく乖離した大きな物体を運転するストレスは実際に乗務すると運転の大変さを実感します。それ故に運転好きを豪語する人が運転嫌いになることも(笑)

しかし、長距離輸送で高速道路の走行ともなれば、乗用車までとは言いませんがドライブ気分を味わうこともできます。行ったことない県外の風景や、お店など見るのはこの職業ならではの利点でもありますよね。運転好きの方は長距離、中距離をオススメします。(下道走行を強要される会社もあるので注意)

 

事務仕事や営業も…

トラック運転手とて荷主がいて初めて成り立つ職業であります。その荷主とは「荷物の積み下ろし」などで接する機会も多く、人あたりやコミュニケーション能力も必要とされます。荷主が運送会社を選ぶ理由は以下の通りです。

  • 運賃の安さ(企業の予算内であること)
  • 品質の良し悪し
  • 困ったときに助けてくれる
  • 昔からの付き合いなど

ほとんどの企業は「運賃の安さ・品質」を重要視します。大手企業になればなおさらのこと、当然のことながら企業に出入りする運送会社の人間やマナーも良く見ているのです。かつて、お客の前で「ため口」、「サンダル履き」、「上下スウェット」の凄い人を見かけたことがありますが、荷主は「さすがにないわ~」と言っていたことがありました。流石になしですね(笑)

また受領書や送り状の処理にハンディ端末を使用したり、集荷してきた荷物の運賃を登録するなどドライバーが事務処理を行う会社も多く存在します。普通にパソコンも使いますし、運賃の価格交渉もしたりします。トラック運転手というと一括りになりますが、実際には運転でけでなく様々な業務を掛け持ちしています。

 

6 仕事に飽きる

運送業の中でも主に大手企業が行う、宅配サービスや企業間の小口荷物配送(特積み)は決められたエリアに毎日配達と集荷を行います。そのためどうしてもルーティンワークになりがちで、小口配送は「やりがいがない」、「飽きる」といった声も少なくありません。会社側はそういった理由での離職を防ぐために、配置コース替えなど工夫をしているのです。

しかし、デメリットばかりではありません。宅配、小口配送は人と接する場面が多くなり、お客と顔見知りになれば会話がはずみますし、信頼関係も生まれます。慣れてくれば、知らない場所に行くことの緊張感もなくなります。日々の仕事にリスクを負いたくないという人には小口配送をおすすめします。ルーティンワークが苦手な方、細々とした仕事が苦手な方はチャーター便などがメインの中、長距離ドライバーになることををおすすめします。

 

宅配業、小口配送1日の流れ

イメージとしてはこのようになります。

出社点呼配送ルートの確認荷物の積み込み配達業務休憩
8:00~8:30~9:00~9:30~10:30~12:0012:00~13:00
配達・集荷配達・集荷帰社・仕分け事務処理点呼帰宅
13:00~14:3015:00~17:0017:00~17:3017:30~18:1018:15~18:30~
※あくまでイメージなので参考程度に
 

7 独り(一人)立ちまでが長い

トラック運転手として1日の仕事をすべて1人でできるようになる水準に達したとき、初めて単独での乗務ができるようになります。運転技術の安全性や正確性。荷物の扱い方、荷役道具の扱い方、フォークリフトの操縦、ハンディ端末の操作など、しっかりと正確にできているか?を総合的に判断し晴れて独り立ちとなるわけですが…(ほとんどの会社に試験的なものは存在します)この、修行の期間が結構長いのです。いくら経験者といえど、会社ごと仕事内容も全く違ったり、企業の理念、ポリシーも異なりますので入社してすぐに1人で乗務とはいきません。
 

独り(一人)立ちまでの期間

  • 経験者:2週間~1ヶ月

  • 未経験:1ヶ月~3ヶ月

 

添乗指導者ガチャに失敗したら…

意外と超重要なのが「添乗指導者」なのです。その殆どが今まで担当していた(自分がやる前まで)先輩ドライバーが添乗します。会社ごとに管理者や指導する立場の人が行ったりもしますが…

要するに独り立ちまでの期間、ずっとその人といることになります。正直言ってかなり気を使いますし、ストレスも半端じゃありません。メシも休憩もトラックの中で四六時中一緒になるわけですから(笑)、先輩ドライバーと馬が合わず辞めていく人も多いのが事実です。私的には新人さんにとって最初の試練じゃないかとも感じています。

しかし!

心配無用、そこまで我慢することはありません。そんなときは管理者にもしくは上司に申し出てください。無理をして体を壊してもいいことはありませんので、そこで手を打ってくれない会社はさっさと辞めてしまった方がいいでしょう。

 

8 事故などの免責、罰則

車両事故や商品事故などの事故に対しての免責が発生します。といってもその負担割合はその会社の規定によって違いますし、そもそも会社側と乗務員間に法律上の明確なルールは存在しません。これらは採用面接の際に、説明する義務が会社にはありますが、いざ事故を起こしてしまって「想像以上の免責金額を請求された」など聞いてないよ事案で揉めることがあります。これから運送会社に転職や就職を考えているという方は、面接の際にその会社が事故に対しての罰金や罰則がどのようになっているかは必ず確認をするようにしましょう。

 

無事故手当が支給されなくなる場合も

先ほど手当ての話をしましたが、運送会社には「無事故手当」という手当を支給している会社が多いです。相場は5千~3万円といったかんじでしょうか。会社側が事故金を負担(事故のケースにもよるが)するから、手当を一定期間支払いませんよといった形を採用している会社もあります。しかし、殆ど多くの運送会社は免責金額を請求されます。事故を発生させた以上、当然本人の過失はありますのでそれは致し方無いのですが、明らかに相場以上の免責(3割以上とか)を請求する会社は避けた方がよいでしょう。

 

商品事故が高額になる場合も

商品事故の請求なら大したことないよね?と思っているそこの貴方、それは大きな間違いです。商品事故といっても数百万に及ぶ高額なものもあります。特に精密機械はかなり高額となる可能性が高いので気をつけましょう。また商品価格の安い商品(数千円程度)はまず貨物保険を使わないことの方が圧倒的に多いですので、これらは惹起者に請求する会社が多いです。数千円といっても1日の稼ぎの何割かが消えてしまうには切ないですよね?商品が貰えるならまだしも、なかなかそんなに上手くいかないのが現実です。

 

・車も荷物も無事故が一番!それに尽きる!
 

9 人間関係のストレスがないはウソ

「人付き合いのしがらみから解放されたい」とか「面倒な人間関係が嫌になったから」とか、トラック運転手になればそういった人間関係の部分から解き放たれるといって転職される方も見かけます。しかしトラック運転手といえど会社員です、同僚もいれば上司や荷主ともコミュニケーションを取らなければなりません。例えば、配達先では時間が遅いだのなんだのとか、お客という立場を利用して、上から目線で荷卸しの指示をされることもよくあります。

また、一般の企業と同じで性格の悪い同僚や上司も普通にいます。運転手という職業上、多少は人付き合いからは解放される時間は長くなりますが、「人間関係」のストレスがゼロになるわけではありませんのでご注意ください。

 

10 地域の名産品を食べれる、観光できるはウソ

長距離ドライバーなら行く先々で観光したり、地域の名産品を食べたりできるんでしょう?と思っている方多いのではないでしょうか。これに関しては全くゼロとは言い切れませんが、ほとんどが難しいというか基本そんな時間がありません(笑)せいぜい高速道路から、「富士山が見えた」とか「琵琶湖が見えた」とかその程度です。

時間がないというのもありますが、大型トラックを長時間駐車できるところなど日本にはそこまで存在しません。(地場を知り尽くしている方なら別ですが…)県外に営業所や支店があってそこにトラックを停めて観光をするということであれば話は変わりますが、トラックを停めれる場所はほぼサービスエリアぐらいです。食事もサービスエリアの食事処かコンビニがメインになります。

映画「トラック野郎」のような、やりたい放題の華やかな世界ではありません(笑)

 

 

 まとめ

さて、ここまで個人的な主観でいろいろ書いてきましたが、全く運送業を否定するつもりはございません。これから「物流会社に就職したい」、「トラック運転手になりたい」と思われている方々を応援したいという気持ちです。

 

最近では女性ドライバーも増えてきていたり、長時間労働の改善や給料の見直しなど、少しずつですが運送業界も良い方向へシフトしてきています。当記事を参考にトラックの運転手を目指す方々のお役に立てたら幸いです。

 

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